連載 医療機器とともに学ぶ―カラダのしくみ・1【新連載】
血圧のはなし(前編)
堀川 由夫
1
Yoshio Horikawa
1
1西神戸医療センター麻酔科
pp.326-331
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101238
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連載をはじめるにあたって
私たちは日常的にさまざまな医療行為に携わり,日常業務として種々の医療機器に触れています.その中にはよく知った事実もあれば,半ば経験的に先輩から教わったまま,原理や構造をよく知らずに使っている機器もあります.漠然と知っているようなことでも,病院という特殊な環境において重視すべき点を意外と理解していなかったりします.
人工呼吸器や吸入装置などの生命維持装置・治療機器から,血圧計・心電図モニターや肺動脈カテーテル・超音波診断装置といった診断機器まで,医療の現場ではさまざまな医療機器が使われています.これらを使いこなすことも大変ですが,日常の業務に追われて機器を使いこなすことに目を奪われ,機器自体が目的ではなく各機器は患者さんと一体なのだ,という認識が失われがちです.例えば,血圧測定や呼吸のチェックは,そこから得た情報と生理状態が結びついて初めて意味があり,そのために機器のメカニズムと結びついた,身体のメカニズム(人体の生理)への理解が必要です.
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