連載 医療機器とともに学ぶ―カラダのしくみ・6
酸素濃度とPaO2とSaO2のはなし
堀川 由夫
1
Yoshio Horikawa
1
1西神戸医療センター麻酔科
pp.793-799
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101317
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前回のテーマは「パルスオキシメータ」でした.パルスオキシメータで表示されるSpO2(末梢で計測した動脈血酸素飽和度)はSaO2(動脈血酸素飽和度)とほぼ同じ意味合いであるということ,動脈血の酸素含量はHb(ヘモグロビン)が一定であればSaO2で決まり,SaO2が100%に達するとPaO2(動脈血酸素分圧)が上昇しても動脈血酸素含量は大きく変わらない,ということにも触れました.
さて,そう考えると「SaO2だけをモニターしていればいいんじゃないか」という疑問がわいてきますが,私たちは臨床でしばしばPaO2を利用します.今回は呼吸における酸素取り込みのメカニズムを追うことによって,PaO2を把握する意味,酸素投与によって動脈血酸素飽和度がどう変わるのか,ということについても考えてみましょう.
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