特集 病棟でこれをやると退院はうまくいく
退院支援カンファレンスを充実させるコツ―急性期病棟における退院支援の取り組みから
蝦名 美岐
1
,
松本 紀子
1
,
平野 道子
1
Miki Ebina
1
,
Noriko Matsumoto
1
,
Michiko Hirano
1
1京都大学医学部附属病院南病棟1階
pp.845-851
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101327
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はじめに
当院の脳神経外科病棟は,脳腫瘍,出血性脳血管障害,閉塞性血管障害,機能的脳疾患,脊髄疾患,外傷性脳障害(慢性硬膜下血腫など),未破裂動脈瘤など,多様な疾患を対象としている.外科的治療が主であるが,脳血管障害に対しては保存的治療を行なうこともある.また,悪性腫瘍に対しては,外科的治療のほか放射線療法,化学療法との併用療法を行なうこともあり,入院期間が比較的長期になる患者や定期的な入院を繰り返す患者も多い.看護師は,手術後や脳血管障害の急性期に対して,症状の発現や病状の急変に伴う細やかな観察と迅速な対応,合併症予防にとくに留意した看護を行なっている.
このような急性期医療の現場では,どうしても生命維持のための医療や看護が重視されがちであり,退院後の生活をイメージしたケアに意識が向きにくい.しかし,病気の特性上,麻痺や認知障害などによるADL低下が多く,患者の個別性を重視した食事・排泄・清潔などの日常生活援助の必要性は高い.このような点から,急性期だからこそ,入院時から生活に視点をおいた退院支援に取り組む必要があると考えている.
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