連載 悩めることも才能だ!―宮子あずさのお悩み外来㉒
障害が残る子どもに治療を望まない親がいます
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.922-923
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101098
- 販売していません
- 文献概要
私は助産師ですが,NICUもある病院なので難しい事例が多く,助産師としてお産を取り上げる楽しさを感じる機会が少ないのが現状です.先日も,他院から搬送されてきた産婦さんが,早産となり,生まれた子どもは超未熟児.それも心停止状態で生まれてきたのです.幸い蘇生が成功し,呼吸管理を始めたのですが,両親にその後の治療を拒否されました.理由は「障害が残る可能性が高い」と医師から言われたためです.
先のことはわかりませんが,少なくとも今は,生きることはできる状態です.せっかく生まれてきた命を,両親の意思とはいえ,絶たなければならないのでしょうか.このようなケースは初めてではなく,強い罪悪感を抱いています.(27歳・女性・産科)
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.