特集 眠らなければ始まらない! 睡眠と看護師の健康について考える
“いびき”で知る,眠りの良し悪し
池松 亮子
1
,
田中 宏和
2
1池松武之亮いびき研究所
2フランスベッド株式会社 スリープ研究センター
pp.806-811
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101071
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
“いびき”と眠りの関係 池松亮子
枕に頭を着けたとたん,大きないびきをかき始める人がいる.「豪傑の鼾声,雷の如し」という言葉があるように,昔は“いびき”は豪傑のシンボルと思われていた.しかし,今日ではいびきによる騒音は,ベッドパートナーの安眠を損ねるだけでなく,いびきをかいている本人の睡眠の質も低下させるとして,不健康のバロメーターと考えられるようになった.
“いびき”は,睡眠中における呼吸の抵抗音と定義され,大きないびきは大きな抵抗,つまり睡眠中に呼吸努力を強いられていることを意味している.それは時には中途覚醒を頻繁に起こすことで睡眠が分断され,睡眠の質を低下させることもある.だからと言ってすべてのいびきが悪いわけではなく,疲れた時だけかくいびきや飲酒時だけかくいびきは生理的範囲として問題はない.しかし常習的な大いびきや,往復いびき,聞きづらく呼吸速度の速いいびき,途中で呼吸が止まるいびきなどは要注意.これらのいびきは放置しておくと習慣化しやすく,睡眠時無呼吸症や上気道抵抗症候群などの睡眠呼吸障害に移行することが明らかになっている.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.