招待席
―患者さんのため,自分のために―「体によい食品」から自由になろう
高橋 久仁子
1
Takahashi Kuniko
1
1群馬大学教育学部
pp.506-510
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101014
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――世間には「○○は体にいい」「○○は体に悪い」といった健康情報があふれ,一般市民だけでなく医療者をもとまどわせる場面が増えています.高橋さんは「フードファディズム」という概念を提唱し,それらの健康情報に警鐘を鳴らしていらっしゃいますが,どのような意味なのですか.高橋 「フードファディズム(food faddism)」のファド(fad)は,英語で「流行する,熱狂する」という意味.私がこの概念に出会ったのは教育学部の教員になって3年経ち,世の中には変な食の情報があふれているということに直面していたときでした.『Nutrition and Behavior』(1991年)という本に「健康や病気に対する栄養の影響を過大に信奉すること」と定義されているのを読み,「ああ,これだったのか!」と思ったのです.私なりにもう少しアレンジすると「食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に評価すること」ということです.「これを食べると治療効果がある」というようなニセ医療や詐欺的な情報を含める定義付けもあります.
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