連載 カズのもっとカンボジア日記・8
AIDS孤児
崎間 和美
1
1アンコール孤児病院
pp.409-411
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100961
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友人のいとこが,昨日の夕方4時に亡くなりました.まだ30代半ばの若さで,2歳になる男の子を残しての死でした.
彼女が体調を崩し出したのは,昨年の夏あたりから.腸チフスにかかり入院治療後から,体重減少が顕著になるとともに病気がちになりました.今年の1月には下痢がひどくなり病院を何軒か回り診察を受け入院したのですが,「もう手の施しようがない」といわれ,自宅へ帰されていたのでした.そして,この1週間ほどで急激に体力が落ち,下痢と嘔吐を繰り返し,とうとう昨日亡くなってしまったのです.
健康なときは,大柄でふくよかな女性でした.それが,同じ人かと思うほどにやせ細り,皮膚はカサカサでまるでおばあさんのようでした.私を含め家族の数名が彼女の死はAIDSによるものではないかと,その状況を聞いて思いました.
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