特集 結果の出せる褥瘡対策チームを作ろう
NSTによる褥瘡予防と経済効果
東口 髙志
1,2,3
,
五嶋 博道
1,3
,
根本 明喜
1,3
,
池田 剛
1,2,3
,
前田 吉民
1,2,4
,
福村 早代子
1,2
,
奥村 美香
1,2
1尾鷲総合病院NST&Clinical Parh Complex(NCC)
2尾鷲総合病院NST褥瘡対策チーム
3尾鷲総合病院外科
4尾鷲総合病院皮膚科
pp.150-156
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100919
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チーム医療を超えたチーム医療の創設
欧米の専属型とまったく異なる新しいチーム医療の運営システム“Potluck Party Method(PPM:あたかも1皿ずつの料理を持ち寄ってパーティーを行なうように,少しずつだが各部署・部局から人・知恵・力を持ち寄ってチーム医療を運営する兼務システム)”を考案し,1998年6月,鈴鹿中央総合病院にこの新システムを用いた最初の全科型Nutrition Support Team(NST:栄養サポートチーム)を設立した.当時,本邦においてはまだチーム医療の黎明期であり,医療施設の各診療部間や職種別部局間の壁をいかに取り去るかが大きな問題であった.しかし,21世紀を迎え本邦の医療体系も大きく変貌を遂げ,チーム医療を育成する方向に傾きつつある.診療報酬制度の改変も相まって,全国各地の施設にクリニカルパス,感染対策チーム,褥瘡対策チーム,リスクマネジメントチーム,そしてNSTなどの種々のチーム医療が,各々の存在を声高にアピールするごとく設立されてきた.このことはやがて,新しい問題点を惹起することになる.それはチーム医療間の壁の出現である.せっかくこれまでの縦型医療体制が崩壊しても,これでは新たな業務の無駄と生産力の低下をもたらすだけである.そこで尾鷲総合病院では,NSTの導入を皮切りに病院機構の抜本的改革に着手し,チーム医療を超えるチーム医療の創設を試みた.
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