Japanese
English
講座 最近の褥瘡治療と予防・4
褥瘡とNST
Pressure ulcer and nutritional support team
新藤 直子
1
Naoko Shindo
1
1国立病院機構東京病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, National Hospital Organization Tokyo Hospital
キーワード:
褥瘡
,
栄養
,
栄養サポートチーム(NST)
Keyword:
褥瘡
,
栄養
,
栄養サポートチーム(NST)
pp.363-367
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101225
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
褥瘡は,皮膚に対する持続的な圧迫とそれにより発生する応力(圧縮応力,引張応力,せん断応力)により末梢血管の虚血を生ずることで発生する.個体側の要因として,そこに組織耐久性の低下が存在すれば,さらに褥瘡が発生しやすい状況が生まれる.組織耐久性は,皮膚局所の問題(浮腫,骨突出,湿潤,摩擦など)のみならず,全身的な問題,すなわち栄養状態,基礎疾患,基本的動作能力などにより大きく影響を受ける1,2).
2002年の「褥瘡対策未実施減算」を契機として構成された褥瘡対策チームは,治療計画のなかで局所の除圧やスキンケアのみならず,褥瘡患者の栄養状態のアセスメントや適切な栄養的ケアの介入を行い,2006年に新設された「栄養管理実施加算」で一気に栄養サポートチーム(nutritional support team;NST)が全国展開する以前から,少なくとも褥瘡患者に対しては実質的なNSTの役割を担っていたと言える.
本稿では,褥瘡発生や治癒過程に影響する栄養状態について整理し,栄養管理の重要性について述べると共に,チーム医療としてのNST介入の意義と運用について触れる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.