連載 カズのもっとカンボジア日記・5
侵されるカンボジア
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.93-95
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100908
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変貌する町
「あそこの新しいホテルのスパ,いいらしいよ」「あの角にできた新しいレストランに行ったことある?」「あの新しいバーは高いよね」…….最近の外国人スタッフの会話は新しい観光スポットの話でもちきりです.シェムリアップの建築ラッシュには目を見張ります.3年前にはホテルが4-5件,ツーリスト向けのレストランはほんの数件だったのがみるみる増えて,以前は誰もが“立派なホテル”と思っていたところさえ“そういうホテルもあったわね”という程度の存在になるほど,豪華なホテルがつぎつぎと建設されているのです.
先日,カンボジアの無料の観光ガイドブックを手にしてビックリ! 私の知らないお店がいっぱいだったのです.“私って,どこに住んでるんだっけ?”と思ったほどです.以前,ハワイに住んでいたときも同じでした.職場とあのワイキキビーチが目と鼻の先にもかかわらず,職場と自宅の往復だけで,50メートル先の水着姿でゴロゴロしている人たちのことはすっかり意識の外のこと.新しくできたブランドショップや,新しいレストランなんて知る由もなく,観光で訪れた友人に「○○にある□□のバッグを買いにいく」とか,「待ち合わせは△△ホテルのロビー」なんて言われてもまったくわからず,恥ずかしながら地図を書いてもらうありさまでした.
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