連載 カズのカンボジア日記・3
カンボジア伝統治療の威力!
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.1072-1073
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903601
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額のアザの秘密
カンボジアでの伝統治療.これは,私がこちらへ来てもっとも驚いたことのひとつです.カンボジアでは疾患の原因は“悪い精神”が入り込んでいるせいと信じている人がたくさんおり,それを追い出す方法として,どこの家庭でも伝統治療が行なわれているのです.
今日は,2つの治療法をご紹介しましょう.まずコイニングといわれるもの.コインを使って体をゴシゴシとこするのです.まず首筋にうっすらとタイガーバームを塗り,その上をゴシゴシ(本当にゴシゴシと音がするんですよ)と内出血斑が出てくるまで「これでもかっ!」とこすります.さらに1センチほどの間隔を空けながら背中やお腹までゴシゴシ.私も試してみましたが,この痛さたるや半端ではない.「ギャー!」「助けてー!」を30分間連発.終わった後には体中に赤紫の刺青のようなきれいな縞模様ができあがっていました.そして,「ほらね,この色の濃いところが悪い部分よ」と教えられ,思わず「本当だ…」と納得してしまいそうになってしまった自分にちょっと赤面でした.でも,確かに“ゴシゴシ”があまりにも痛くてほかの痛みを忘れてしまうという効果があったことは事実.きっと,脳内にエンドルフィンが分泌されるのでしょうね.
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