連載 カズのもっとカンボジア日記・9
カンボジア就職事情
崎間 和美
1
1アンコール孤児病院
pp.513-515
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100728
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わー! ものすごい人だかり.何でしょう.また事故かな? 違うみたい.ざっと見て100名以上の人がなぜかワサワサとひしめき合っています.
よく見ると,それは新しくオープンするホテルの前.それでわかりました.ホテルが募集する従業員への応募者たちが,われ先にとトタンのバリケードを突破しようとしているのです.この数年,新しいホテルが次々に建設されているので,そのたびに何百人もの人がこのように応募し,その大部分が不合格となってしまうのです.「もう何十回も応募しているけど,だめなんだ」という彼の手には,“今後のために”とコピーされた10数枚の履歴書がありました.当たって砕けろ精神で,必要条件に見合っていなくてもとりあえず応募する人も少なくないですね.建築ラッシュに伴い,建設,ホテル関連の雇用のチャンスは増えたとはいえ,まだまだこの国の失業率は高く,それと比例して就職試験の倍率も常に高いようです.ここでは,とにかく安定した職に就くことがとても難かしい.
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