レポート
乳癌術後リンパ浮腫患者の看護を探る―文献に表された現状
作田 裕美
1
,
宮腰 由紀子
2
,
西亀 正之
2
1広島大学大学院医学系研究科
2広島大学医学部保健学科
pp.906-911
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100784
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はじめに
わが国における年齢調整別乳癌罹患数が年々上昇傾向にあることから,乳癌検診が行なわれるようになって久しい.乳癌治療では手術が基本であるが,合併症の1つに術側上肢のリンパ浮腫がある.リンパ浮腫は放置しても生命にかかわる状態でないからか,現在のところリンパ浮腫の正確な発症率は不明であり,原因および有効な治療手段もいまだ確立されていない.そのため,リンパ浮腫について適切な説明や治療が受けられない患者や,病院を受診した際に病名不明という理由から病院を転々とする患者が存在する.
上肢の浮腫を放置しておくと,日常生活や社会活動が制限される.そのような状態にある患者が抱える不安と恐怖は大きいと考えられ,看護の果たす役割も大きくなると思われる.そこで今回,リンパ浮腫患者への適切な看護の示唆を得ることを目的に,リンパ浮腫に関するこれまでに発表された文献を検討したので報告する.
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