発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2016270187
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[目的]婦人科がん術後の下肢リンパ浮腫に関する文献レビューを行い、外来におけるリンパ浮腫へのケアについて考察すること。[方法]子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん術後患者のリンパ浮腫に関して、オンライン書誌データベースから文献を収集し、3つのCQについて検討した(CQ1リンパ浮腫の発症頻度、発症時期、主なリスクファクターとは何か、CQ2リンパ浮腫の症状とQOLにはどのような影響をもたらすのか、CQ3下肢リンパ浮腫への効果的な対処とケアとは何か)。[結果]69の文献について検討した。CQ1. リンパ浮腫の発症率は10.1~18.3%で、そのうち52.7~84%が術後1年以内に発症し、主なリスクファクターは放射線照射、リンパ節郭清だった。CQ2. 患者は見た目、感覚、ライフスタイルの変化を体験していた。CQ3. 治療では複合的理学療法が多く報告され、対処行動はマッサージ、ストッキング着用などだった。[考察]看護師はリンパ浮腫が発症しやすい疾患、術式、発生頻度、発生しやすい時期を知識としてもち、指導や教育に活かす必要があると考える。外来看護ではリンパ浮腫発症のリスクファクター、症状、ライフスタイルへの影響など、患者の個別性に基づいた支援の提供が重要と考えた。
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