発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2005230871
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本研究は,乳がん術後患者の術後リンパ浮腫発症に対する予防的介入に資する基礎的データを得ることを目的に,術後リンパ浮腫発症予防行動に関連する知識の獲得と活用状況について,女性乳がん患者61名を対象に集合質問紙調査法により実施した.質問項目は,American Lymphedema Instituteが作成した"Twenty-Four Ways to Protect Yourself"を日本語訳し「リンパ浮腫知識スケール」として使用した.知識の獲得得点の平均値は24点中7.9点であり,活用得点の平均値は24点中11.7点であった.知識の獲得得点と活用得点は,リンパ浮腫を発症している患者が未発症患者に比べ低い傾向がみられた.リンパ浮腫予防に関する知識は,医師(41.8%),看護師(28.2%),書籍や雑誌(11.1%),乳がん経験者(9%)から得ており,予防行動に関連した知識をもっていた患者は,看護者を情報源として覚えてはいるものの,情報源の3割にも満たなかったことが明らかとなった.看護者は乳がんの治療前や治療中の患者にリンパ浮腫の危険や,状態の診断と治療についてもっと知らせることができたことが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005