特集 急性期で行なう 退院後の安心づくり
地域連携と家族関係調整を中心にした退院調整
相馬 美香子
1
1弘前大学医学部附属病院継続看護室
pp.848-851
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100772
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弘前大学医学部附属病院(以下,当院とする)は,定床 626床,20診療科を有する特定機能病院である.1997年に,正面玄関にあった採血所が病院外へ出ることになり,地下にあった医療相談室をその場所に移転することになった.同時に医療相談室配属の非常勤メディカルケースワーカーが定年退職したことを機に,看護職が相談業務を担当することになり,1998年4月に「継続看護室・医療相談室」が設置された.業務は,看護部長室付の継続看護室担当師長1名,経済面での相談担当の医事課専門職員1名,医事課事務官1名の計3名で運営することになった.このうち継続看護室担当師長の役割と業務内容を表1のように定め,活動を開始した.
継続看護室担当師長は,午前中は正面玄関付近に立ち,外来患者の受診介助,受診相談,ボランティアを統括しての新入院患者の病棟案内,そして急変時の方や車椅子での1人受診時の介助などに,すぐに対応できるように待機している.継続看護室は病院玄関わきの,退院した患者や家族が必ず通る場所にあるため,いつでも声をかけられて「安心できる」という声もある.窓口はカウンター型でオープンにしているせいか,入院・外来を問わず,看護・受診等の相談だけでも,年間1500件以上の対応となっている.退院調整数は,筆者が継続看護室の配属となってから3年間で 105事例あった.本稿では,患者・家族の承諾が得られた4事例について,退院調整のプロセスをふりかえり,患者・家族に対する継続看護室のかかわり方と,その効果について述べる.
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