連載 場面・状況別で見る、訪問看護の臨床判断・第2回
退院調整カンファレンス
佐藤 文俊
1
1ケアプロ訪問看護ステーション東京 中野ステーション
pp.228-238
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202108
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
単なる「医療・ケアの引き継ぎ」ではない
退院調整カンファレンス(退院前カンファレンス)には、患者本人・家族、病院の専門職、在宅医療・介護専門職、地域関係者(保健師、相談支援専門員、障害福祉課職員など)が集まります。そこでは病状、退院に向けた準備の状況に加え、本人および家族の病状・療養生活に対する理解、介護力、ケア技術の習得状況や対応能力など、自宅で療養生活を送る上で必要となる情報の共有が図られ、申し送りや具体的な手立ての協議が行われます。病院で行ってきた医療・ケアの単なる引き継ぎの場ではありません。
退院調整カンファレンスにおいて、訪問看護師は在宅での療養生活をサポートする専門職として、当該患者の退院後の生活を見据え、「退院までに解決しておくべき課題」を明確化し、病院側と在宅側とで役割分担しながら課題の解消に貢献する必要があります。同席する患者と家族に「これなら家に安心して帰ることができそうだ」という気持ちになってもらうことが重要です。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.