連載 わかるようでわからない精神科のコトバ・17
「おじろく,おばさ」
風野 春樹
1
1精神科医師
pp.684-685
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100763
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長野県の南部,飯田のあたりは,高山の多い信州のなかでも特に山深いところです.平地といえるような土地はほとんどなく,ろくな道すらないのだけれど,そんなところにも古くから人は住んでいるもので,天竜川に沿ってぽつぽつと小さな集落がいくつか点在しています.
そうした集落を1つひとつ数珠つなぎするようにして,豊橋と辰野を結ぶ飯田線が全通したのが昭和12(1937)年.なにせ平らな土地のほとんどない深い山地のこと,さぞかし難工事だったろうことは想像にかたくありません.さて,その飯田線に,「中井侍(なかいさむらい)」という,ちょっと変わった名前の無人駅があります.長野,静岡,愛知の三県の県境あたりに位置する駅です.
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