特集 基本から見直そう! 感染予防6つのポイント
「手術部位感染予防対策」を見直す
芳尾 邦子
1
1滋賀医科大学医学部附属病院
pp.456-459
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100718
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
筆者は2002年に日本看護協会の感染管理認定看護師の資格を取り,同年11月より専任の感染管理看護師として感染管理を行なっている.当院では,1994年から感染予防対策委員会が発足し,その実働部隊としてのICT(Infection Control Team)と,ICTにリンクするリンクドクターとリンクナースを立ち上げた.今回のテーマである手術部位感染(Surgical Site Infection:SSI)も,ICTで取り組んできたテーマの1つである.
手術部位感染は米国院内感染サーベイランスシステム(NNIS)の報告によると,院内感染では3番目に多く全体の14-16%を占め,外科手術患者の院内感染では38%ともっとも多いといわれている.またSSIから分離した病原菌は,黄色ブドウ球菌(20%),コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(14%),腸球菌(12%)であり1),最近はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌などの薬剤耐性菌や真菌などの検出も増えてきている.
今回,SSIのリスク因子やCDCのガイドラインを参考にして,当院で実際に行なわれている予防策を評価した.SSIの一般的な予防策と,術前の剃毛・手術時手洗い・皮膚の消毒・病棟でのガーゼ交換について,実際のコンサルテーションの内容をおりまぜて紹介する.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.