特集 原因から見直す「ストーマ管理困難症」
なぜストーマ管理困難症に至ったのか?―困難事例にみる潜在的原因と予防策
①管理的合併症の要因―排泄物による皮膚障害のための管理困難
大塚 眞由美
1
,
藤田 優
2
1船橋市立医療センター看護部
2船橋市立医療センター皮膚科
pp.214-217
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100690
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ストーマの合併症は,外科的合併症と管理的合併症に大別され,手術手技以外の原因によってストーマ管理に際し皮膚障害をもたらす病態を管理的合併症という.原因としては,排泄物による皮膚障害,装具による皮膚障害,外的刺激,不適切なスキンケア1)など広い範囲にわたる.管理的合併症はケア方法によって予防・改善できるものであるが,ストーマ造設において,ストーマの位置や形態・排泄物の性状に問題があると生活に多大な支障をきたす管理困難なストーマとなりやすい.本稿では,管理困難事例から,その要因を振り返り,予防的な支援について述べる.
事例紹介
年齢および性:68歳・男性
診断名:直腸癌
術式と術後のストーマの状態:1999年3月に腹会陰式直腸切断術.結腸ストーマは術前サイトマーキングを施した臍の左外下方部に造設されたが,術後早期にストーマ壊死があり,脱落が認められた.また腸閉塞を発症し保存的に改善したが,以後便性を柔らかく保つよう内服薬でコントロールしている.術後53日目人工肛門筋膜肥厚・狭窄に対し,筋膜切開術が施行された.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.