連載 from KOBE「後輩」を育てる総合実習②
現場で指導して感じる学生とスタッフの成長―病棟内の管理者としての視点
長尾 幸恵
1
1神戸市立中央市民病院
pp.1038-1044
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100665
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2003(平成15)年から始まった総合実習も今年で4回目を迎える.この実習では,毎年新しい問題が持ち上がり,そのつど悩むことも多い.しかしそれ以上に,私たち臨床看護師にも実習を指導し終えた充実感があり,嬉しい発見がたくさんある.3回の実習それぞれに,色々な思い出があるが,やはり初めて総合実習を受け入れた時の戸惑いと達成感は今でも強く心に残っている.ここでは2003年の初めての総合実習について,臨床側の立場から述べてみたい.
病棟の状況と総合実習の受けとめ方
新体制の病棟での受け入れ
当時の私は,病院を休職して神戸市看護大学に編入・卒業後,病棟の主任として復職したところ.4月に昇格したばかりの病棟師長の下,病棟は新しい体制になって3か月が経ったばかりだった.師長から「4人の学生が3週間,1人1部屋を受け持つ実習をする」という総合実習の主旨を聞かされたときは,「できるかな」というのが正直な感想だった.「学生が1部屋,4人の患者を受け持つことができるのか」「何より,学生が理解できるように指導できるだろうか」という不安があったのだ.しかしその反面,初めて取り組む実習なら教員も学生も慣れておらず,かえって相談しやすい,何事も相談しながら臨機応変に対応していけるかもしれないとも思い,最初からあまり構えずにやってみよう,と師長と話し合った.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.