調査・研究
禁煙への自己決定を支援する看護介入の検討―自己効力感に働きかける個別的なかかわりの視点から
中山 貴美子
1
,
岡本 佐智子
2
1日本赤十字看護大学看護学部看護学科
2埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
pp.362-369
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100599
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緒言
喫煙が肺がんや循環器系などに悪影響を及ぼすことは知られている.しかし,わが国の20歳以上の喫煙者率は,未だ男性46.9%,女性13.2%1)を占めている.看護師は健康に障害をもつ患者や手術を受ける患者に対し,禁煙指導を行なう機会が多い.しかし,喫煙者本人が禁煙することを選択し保健行動をとる力を身につけなければ,病院という環境の中では禁煙できていた人も,退院し自宅に帰ると再喫煙することになる.
行動科学では,保健行動を続行する力は本人自らがもっており,本人が保健行動をとる自信と決意を強められるように,医療従事者はサポートすると考えられている.そして宗像2)は禁煙など,健康維持・回復のために行動を改善することを行動変容ととらえて,Bandula3)の自分の行動を成し遂げることができるという,根拠のある自信をもつことが行動変容には必要であるという理論を発展させ,煙草を吸わずにすむ効果的な対処の仕方の自信度を禁煙行動に対する自己効力感として表している.
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