特別記事
乳がん看護の理想のかたち―英国にブレストケアナースを訪ねて
田中 香
1
,
阿部 恭子
2
Tanaka Kaori
1
,
Abe Kyoko
2
1社会保険小倉記念病院
2千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.350-353
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100598
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現在,日本では約23人に1人が乳がんになるといわれていますが,それ以上に,英国では約6人に1人が乳がんにかかるといわれています.これは驚くべき深刻な数字であり,英国では,マクミランがん基金や,看護学校にブレストケアナース(BCN)養成コースを設立するなどして,国をあげて乳がん対策に取り組んでいます.国全体で乳がんへの関心が高い英国では,乳がん患者に対してどのような診療・看護が行なわれているのでしょうか.
今回,乳がん看護認定看護師研修生第1期生として,英国ブレストケアナースの役割と実際を学ぶ機会を得ることができました.英国では,ブレストケアナースが乳腺診療において必要不可欠な存在として認められており,乳腺医師をはじめ,乳がん患者からも絶大な信頼を得ていました.
本稿では,日本における乳がん看護の現状を整理するとともに,英国ブレストケアナースの実践内容を私が感じたことを踏まえながら紹介します.
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