特集 女性がん患者のリンパ浮腫ケア
フェルディ法の実際
④運動療法と日常ケア
佐藤 佳代子
1
1後藤学園附属第二臨床施設リンパ浮腫治療室
pp.650-652
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100482
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リンパ浮腫に対する運動療法は,排液効果を高めるために圧迫下で行なうことが望ましい.患肢末端側にかかる圧が強めで,患肢中枢側に向かうほど圧が緩くなるという圧調整を考慮した包帯法で巻かれた状態,および同様の圧調整がされた医療用スリーブやストッキングを着用した状態で行なうと,よりいっそうリンパ液を排液することができる.圧迫し,外側より適当な圧をかけることにより,リンパ液を押し上げる力の低下したリンパ管を筋収縮との連動で支え,管内のリンパ液を中枢側に誘導するために効果的である(図1).運動療法を単独で行なうと,かえってむくみが悪化することが多いので,必ずスキンケア・マッサージ・圧迫療法を併用することが基本である.
日常生活場面での運動療法
在宅での運動療法
患肢を適当に圧迫した状態で,日常生活を送ってみる.圧迫したままの運動やアイロンがけ(上肢の場合),階段昇降(下肢の場合)など,いつもの生活のなかに運動を取り入れる.初めは慣れなくても,徐々に要領をつかみ,動かすほどリンパ誘導を促していることが感じられる.
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