特別記事
―多職種参加の転倒予防検討会を中心とする―三重県における転倒予防ケアシステムの開発
鈴木 みずえ
1,2
,
内田 敦子
1
,
河合 富美子
1
,
日比野 直子
1
,
福田 裕子
3
,
池田 道智江
3
,
大渕 律子
4
,
伊藤 薫
5
Suzuki Mizue
1,2
,
Uchida Atsuko
1
,
Kawai Fumiko
1
,
Hibino Naoko
1
,
Fukuda Yuko
3
,
Ikeda Michiko
3
,
Obuchi Ritsuko
4
,
Itou Kaoru
5
1三重県立看護大学
2地域交流研究センター
3三重県立看護大学大学院看護学研究科
4三重大学医学部看護学科
5四日市市介護・高齢福祉課
pp.725-730
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100169
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はじめに
わが国の高齢化はますます進展し,戦後の第一次ベビーブーム世代が65歳以上になる2015年には,高齢化率は25.2%になり,人口の4人に1人が高齢者になることが予測されている.高齢社会においては,高齢期になっても健康を維持し,生活の質(Quality of Life)を向上することが重要になってきた.高齢期に起こりやすい症状として,認知症,失禁,誤嚥などの老年症候群があり,その中でも転倒が,高齢者の生活の質を著しく低下させることが注目されている.高齢期の生活の質を維持させて,自立して生活できる期間である健康寿命を伸展させるには,転倒予防が重要と言われている.
三重県立看護大学地域交流研究センターの研究開発事業「三重県における転倒予防研究システムの開発」は,三重県立看護大学と四日市市介護・高齢福祉課,高齢者施設が連携し,転倒予防システムを開発しようとするものである(図1).具体的には,各高齢者施設の看護師,介護福祉士,医師などの高齢者ケアのエキスパートが,経験を踏まえて実践してきた転倒予防のケア方法を構築するとともに,三重県全体の転倒予防に関するシステムを開発し,転倒予防ケアの質の向上に寄与することが目的である.
本稿では,本研究事業の中から,転倒予防ケアの確立を目指して取り組んだ転倒予防検討会の活動を中心に報告する.
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