連載 ベッドサイドで活かせる―みんなの呼吸アセスメント④
PaO2はこわくない―正常値を知るための第一歩
大利 英昭
1
1都立駒込病院看護部
pp.84-89
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100016
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臨床のどうして? その4
PaO2の正常値はいくつ? の謎
朝に酸素吸入が中止となった術後1日目の患者さん(70歳).ルームエアー(室内気)での血液ガスの結果は,動脈血酸素分圧(PaO2)が79mmHgであり,主治医からは「酸素は中止のままでOK」との指示が出ました.でも,学校ではPaO2 の正常値は90~95mmHgと習いました.79mmHgは低酸素なのではないですか?
今回は動脈血酸素分圧(PaO2)のアセスメントに挑戦です.
PaO2のアセスメントは,PaCO2のように正常値より低ければ低換気,高ければ過換気という単純なものではありません.たとえば,PaO2が95 mmHgでも,患者さんの吸入酸素濃度によって正常値にも異常値にもなるのです.
「そんなの難しそう!」
大丈夫.PaO2のアセスメントには,誰もがつい落ちてしまいがちな落とし穴があります.「PaO2の正常値は90~95mmHg」もその1つです.でも,これらの落とし穴を上手に避ければ,正しいアセスメントにたどり着くことができますよ.
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