増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
124.Pao2(動脈血O2分圧)
吉川 隆志
1
,
川上 義和
2
1帯広厚生病院・第1内科
2北海道大学医学部・第1内科
pp.1930-1931
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222813
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動脈血O2分圧(Pao2)は肺におけるガス交換の状態を示す重要な指標であり,疾患の重症度や酸素投与の適応を決める際必須な検査である.肺疾患が存在してもPao2を正常域まで戻そうとする代償機構があるため,Pao2は必ずしも低下しない.しかしこのような場合でもA-aDo2は開大することがあり,Pao2の異常値を考える際A-aDo2も同時に考慮する必要がある.
PAo2は肺胞気式から,
PAo2=P1o2-PAco2/R〔1-F1o2(1-R)〕
(R:呼吸商,F1o2:吸入気酸素濃度)
で求められるが,吸入気が1気圧の場合Rを0.8として簡略化すると,
PAo2=P1o2-Paco2/R≒150-Paco2/0.8
で算出される.A-aDo2の正常上限は10Torrといわれるが,Rを仮定した場合などは15〜20Torrといわれる.
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