連載 生殖補助医療—“技術”がもたらした現実と未来・1【新連載】
生殖補助医療に伴う生命倫理—デザイナー・ベイビーを否定しよう
武部 啓
1
1近畿大学理工学部生命科学科
pp.772-775
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに 生命倫理とは
生命倫理という言葉は,最近の医学,医療を論ずる際に欠くことができないようである。
筆者があえて「ようである」,とあいまいな表現を用いたのは,現在の医学,医療において,真に生命倫理が理解され,その思想が適用されているかに疑問があるからである。倫理とは,法律や規則では決められていないことをどう考え,どのように行動するか,ということであろう。したがって,決められていることを守っているのか,という判断ではなく,こうすべきである,と考え,行動する基準としての倫理観が1人ひとりに求められるのである。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.