特集 死産・流産のケア
大阪府立母子保健総合医療センターの実践—ガイドラインを中心に
井上 京子
1
,
浜崎 奈津子
1
,
芦田 美樹子
1
,
遠藤 千昌
1
,
高川 みちる
1
,
筆野 幸美
1
1大阪府立母子保健総合医療センター母性棟
pp.727-731
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903493
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はじめに
両親はわが子が宿ったときからその子どもとの関係を育み,周囲も祝福する。その一方で,何らかの原因により流産死産を経験する両親もいる。いかなる場合,いつの時期においても子どもを亡くすということは両親にとってもっとも悲しい出来事である。そうした家族に対する悲嘆過程での援助(ビリーブメントケア)の重要性については,これまでも多くの研究がなされているが,悲嘆過程にある両親への援助は病院での短い入院期間の中では難しい。
私たちは平成13年に死産を経験した両親への援助のガイドラインを病棟を中心として作成し,ガイドラインに沿った援助の有効性について研究を行なった。その結果,プライマリ・ナースが中心となってガイドラインを使用しながら関わり,その結果を検証することで死産ケアの方向性を明らかにすることができた。本稿では,大阪府立母子保健総合医療センターで現在使用しているガイドラインを中心に流産・死産を経験した方々への具体的なケアを紹介したいと思う。
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