今月のニュース診断
インフォームド・コンセントの課題—ネガティブな情報をどう共有するか
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部(法哲学・生命倫理)
pp.924-925
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903446
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遺伝子治療臨床研究:条件付承認
岡山大学が申請していた肺がんの遺伝子治療臨床研究が,9月17日,厚生科学審議会先端医療技術評価部会(以下,審議会)で承認された。今後,中央薬事審議会でベクター(遺伝子を運ぶ物質)の安全性の確認と,文部省学術審議会の審査を経たのちに臨床研究が開始される(毎日新聞9月17日「遺伝子治療:岡山大の肺がん臨床研究を承認」)。
17日の審議会では,最後までインフォームド・コンセント(以下,IC)の記述をめぐって議論が続いた。「有効性を期待させすぎる文章になっていないか」「患者が,自分に何が行なわれるのかイメージできないのではないか」「文章が難しい」「しかし,そもそも何をもって患者の“十分な”理解と言えるのか」など。(注:正確な表現は厚生省ホームページの議事録参照)
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