特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
Special lecture
インフォームドコンセントと情報開示
出田 秀尚
1
1出田眼科病院
pp.153-155
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907054
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インフォームドコンセントと情報開示の必要性
インフォームドコンセント(以下,IC)と情報開示は,必要なものであろうか。先日,私の経験した例を挙げてみる。
68歳の男性の患者であるが,他医で白内障の手術を受けた。術後視力がいったん良くなったが,低下しはじめ,術後眼内炎といわれ治療中である。しかし,良くならず,心配して前医に無断で受診した。確かに眼内炎らしい症状を示しているので,しばらく抗生物質で治療したが,改善されない。よく見てみると,硝子体の混濁は後極部に強く,黄斑部網膜の浮腫が強いので,黄斑部疾患を疑い,フルオレスセインとインドシアニングリーンによる網脈絡膜の血管造影検査を行った。すると,脈絡膜に新生血管が証明され,円盤状黄斑変性であることがわかった。ビデオで撮影した結果を,付き添いの家族の人と一緒に見て説明すると,患者も十分に納得が入って安心し,その後の治療も依頼された。
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