特集 難病妊産婦のケア
各疾患の看護の事例
特発性血小板減少性紫斑病を合併する妊産婦の看護
広瀬 泰子
1
,
五島 光子
1
1岐阜大学医学部附属病院産婦人科病棟
pp.575-579
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903338
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はじめに
特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:以下ITPと略す)は,自己免疫疾患の1つであり,血小板の破壊が亢進する疾患である。この疾患は20〜30歳代に好発し,女性に多いという点で,妊娠・分娩と深い関わり合いを持っている。母体・胎児の血小板減少により,特に母体出血,胎児頭蓋内出血は生命に関わる問題となるが,ITPに関しては今日なお有効な治療法の確立はない。しかし,妊娠中から十分な母児管理を行なうことにより,無事出産を終えることが可能である。また,助産婦として看護に必要な基本情報を把握し,分析・診断を的確に行なうことは,より質の高い看護を提供するための第一条件である。
私たちは大学病院という施設の特殊性から,比較的多くのITP合併妊婦の分娩を経験した。そこで今回,私たちが経験したITP合併妊婦の看護の実際と岐阜大学医学部附属病院産婦人科病棟における看護の要点について報告する。
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