特集 母乳育児法—桶谷式とSMC方式
聖霊病院母乳育児相談室の実践
小山 友江
1
1聖霊病院産婦人科病棟
pp.760-771
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903301
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母乳育児相談室開設から15年,院内でも評価が高まる
母乳育児相談室の開設の動機
昭和40年代後半から,第二次ベビーブームが始まり,私たちの勤務する聖霊病院では,毎月150から160件の分娩に忙殺されていました。当時,助産婦はわずか10名ほどで,分娩室での助産業務と外来での集団指導(母親教室,安産教室など)のみが活動の場であり,産婦人科病棟や新生児室での活動やかかわりは,実際困難な状況でした。
その頃,私の属する修道会のシスターから,妹さんである桶谷そとみ先生が考案された「乳房治療手技」についてはよく耳にしていました。しかし当時は人ごとのように受けとめていました。その頃の当院は計画分娩が多く,子宮頸管軟化のために卵胞ホルモン剤が使用されて乳汁分泌が抑制されるケースも多かったため,私も産褥早期の母乳栄養促進に消極的であったのかもしれません。
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