特別寄稿
現代の自然分娩—さりげない,ぜいたく分娩
進 純郎
1
1日本医科大学産婦人科学教室
pp.1022-1027
発行日 1990年12月25日
Published Date 1990/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903260
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はじめに
メディカル・エレクトロニクスをはじめ,最近のめざましい臨床医学の進歩とともに,わが国の周産期医療も大きく変貌してきている。分娩に関しては,現状では,医療面の安全管理に重点を置き,テクノロジーを優先させる「計画分娩」「麻酔分娩」と,女性の「産む力」を重視して医療の介入を極力排そうとする「自然分娩」との両極分離の傾向がうかがわれる。しかし,どちらの方法にしても「健やかな良い子を産み育てる」という目的は基本的に同じであり,安全と人間性の両面を兼ね備えた出産方法が時代のニーズになっていることは間違いない。人間性に富んだ現代の分娩とはどのようなものであればよいか,自然分娩にフォーカスを当てて考えてみることにする。
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