連載 フランス出産事情—変わりゆく出産・助産婦・病院・5
わたしのフランス出産体験④—病院生活・医療システム
舩橋 惠子
1
1桜美林大学国際学部
pp.804-809
発行日 1990年9月25日
Published Date 1990/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903251
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入院生活も忙しい
翌日は,これまた忙しい一日であった。事務の人が来て,出生届に必要な書類を整えるのを手伝ってくれた。赤ちゃんは泣く。授乳にオムツ換え。
入れ替わり立ち替わり,いろいろな人が部屋にやってくる。ルーティン検査,医師や助産婦の回診—それも,母子一度に済まず,産婦は婦人科医,赤ん坊は小児科医,というように担当が別—,赤ちゃんの沐浴,傷の消毒,食事,ベッドのシーツ換え,掃除,さらにオムツや衛生用品の配布,赤ちゃんの糖水,私の薬,等々。看護婦に「まだシャワーをしてないの?清潔にしなければだめよ」と言われ,シャワーも浴びた。洗濯もした。出産後まだ24時間も経っていないのに。これでは,さびしいどころではない。ちょっとウトウトしていると,何かの用で起こされ,すっかり疲れてしまった。
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