ケースレポート
産褥期に非定型精神病を発症した一女性の経日的変化の特性
保屋野 桃子
1
,
今田 広子
1
,
袴田 玉代
1
,
加藤 景子
1
,
柳瀬 和子
1,2
1浜松労災病院産婦人科病棟
2現:東北労災病院
pp.952-955
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902988
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はじめに
産褥期に生じる心身両面の変化は,ときに精神障害の発症や憎悪の原因,あるいは誘因となる可能性がある。精神障害を発症した場合,患者と家族の生活,そして,児の養育に支障をきたすなど影響は大きい。早期発見と適切な治療とケアが予後の回復に重要と考える。
今回,分娩後の言動や育児行動に,精神障害の前駆症状や初期症状が見られ,退院後非定型精神病*と診断され再入院の経過となった女性をケアした。看護者側は産褥入院中に「なんとなくおかしい」と,感じながら幻覚や妄想などの症状がみられなかったため,精神障害の前駆症状であることに気づくことができず,かかわり方が不十分となってしまった。
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