Japanese
English
研究と報告
前思春期発症の非定型精神病の3症例について
Three Cases of Atypical Psychosis Appearing in Prepuberty
森信 繁
1
,
生地 新
1
,
森岡 由起子
1
,
十束 支朗
1
,
根岸 敬矩
2
Shigeru Morinobu
1
,
Arata Oiji
1
,
Yukiko Morioka
1
,
Shiro Totsuka
1
,
Yuklnori Negishi
2
1山形大学医学部精神医学教室
2埼玉県立小児医療センター
1Department of Psychiatry, Yamagata University Mcdical School
2Saitama Prefectural Children' Medical Centcr
キーワード:
Atypical psychosis
,
BBT
,
Hormonal therapy
,
Androgen-Index
,
Hypothalamo-pituitary dysfunction
Keyword:
Atypical psychosis
,
BBT
,
Hormonal therapy
,
Androgen-Index
,
Hypothalamo-pituitary dysfunction
pp.1013-1020
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204003
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抄録 前思春期発症の非定型精神病3例を2〜6年間治療する機会を得た。症例1は12歳時発症し,排卵性月経に伴い精神運動興奮と昏迷を繰り返していたが,norgestrel 1錠/日(月経第5日目より5日間),乾燥甲状腺末90mg/日の投与にて寛解した。この症例では寛解期においてもAndrogen Index<1.0,dexamethasone抑制試験陽性などの異常を呈し,視床下部一下垂体系の機能不全が認められた。症例2は12歳時発症。無排卵性月経を伴い頻回に昏迷状態を繰り返していたが,clomiphene 50mg/日(月経第5日目より5日間),Iutedion(月経第14日目より7日間)投与されて寛解した。症例3は,11歳時発症。頻回に昏迷状態を繰り返していたが,sulpiride Iithium投与にて寛解した。また,症例1のように頻回の再発を繰り返すことは,本疾患の予後という面からみて,自発性の低下や判断力の低下というような,軽度の欠損状態を生み出す危険性があるように思われた。
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