特別寄稿
養成数の減少傾向にストップをかけたい。「助産師の養成に関する請願書」を国会に提出
白井 千晶
1,2
1「助産婦を応援する会」
2早稲田大学文学部・社会学
pp.944-950
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902987
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私が参加する「助産婦を応援する会」は,助産師養成数が近年激減していることに危機を感じ,2001年11月から2002年5月の半年間,助産師養成に関する請願をするための署名運動を行ないました。同時に,助産師養成に関する具体的な意見を集め,『助産師教育への意見集』としてまとめました。「助産婦を応援する会」は,お産や育児の自主グループのリーダーを中心に,助産師さんを応援したい,と願う人びとの集まりです。主にメーリングリスト(電子メール)で意見を交換する,非常に緩やかなつながりで,実体的な組織はありません。署名協力を募集する記事が回覧されるなどの組織力が全くない中,ほとんどクチコミに近い方法で8,048名もの署名が集まったことは驚くべきことではないかと思います。
この活動に対し,『助産婦雑誌』は唯一協力してくださった媒体で,2002年1月号に署名への協力要請記事を掲載して下さいました(56巻1号,p.83「トピックス」)。みなさまのご協力により,8,048名の署名と多くのご意見が集まり,2002年5月に国会に提出しました。ここに,請願の内容や経過,ご意見集の内容などを報告させていただきたいと思います。というのも,請願活動を通じて,今現在の助産師のおかれている状況や,全国の出産経験者,その家族,助産師,医師,看護師,保健師など医療専門職の方々,医療専門職を目指す学生さんの思いが明らかになってきたからです。どうぞ,これからのお産のあり方,助産師教育のあり方,母子保健のあり方を考える一助にしてください。
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