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研究と報告
定型・非定型精神分裂病のロールシャッハ・テスト
The Rorschach findings in cases of typical and atypical schizophrenia
大塚 文雄
1
F. OTSUKA
1
1大阪医科大学神経科教室
1Department of Psychiatry, OSAKA Medical College
pp.749-753
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200272
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緒論
精神分裂病が単一の疾患であるか,あるいは症候群であるかという問題は,従来,種々議論のあるところであるが,こんにち,分裂病なる名称のもとに総括される疾患のなかには,臨床的に,あるいはまた遺伝的にも多様なものが含まれることは諸家のひとしく認めるところである。
満田は,分裂病の遺伝臨床的研究から,分裂病をとくに狭く限定しないかぎり,それを遺伝的に単一の疾患とみなすことは困難であり,少なくとも遺伝素因の表現変異,あるいは遺伝様式について,明瞭な相違を示す2群,すなわち中核群(定型群)と,周辺群(非定型群)とに類別することができるとのべ,かかる2群の間には,臨床的にも種々の点で差異のあることを認めている。また,白石は,満田の周辺群と臨床的にほぼ一致すると思われる急性精神病の症例について,詳細なる生活史の研究を行ない,定型分裂病との間に,その人格構造のうえにも差異のあることを認めた。
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