特集 タッチケア(上)
出生直後の早期接触とタッチケアそして母乳育児
標 まさみ
1
,
中根 直子
1
,
村上 睦子
1
1日本赤十字社医療センター
pp.124-130
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902584
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早期接触とタッチケア
はじめに
生まれてすぐのわが子を,素肌の胸に抱く。この「出生直後のカンガルーケア」を,当院では2000年夏から取り入れはじめた。これは妊娠中にイメージの対象であった胎児を本物として実感し,10か月の期間を通じて育んだ愛着を自然な育児行動へと促すプロローグである。
2000年11月,厚生省は21世紀の母子保健の指針ともいえる「健やか親子21」の中で「安全で快適な出産環境の提供」を提唱した。従来,同時には存在しないものと思われてきた出産環境の「安全」と「快適」が,同列の目標として添えられたことに注目したい。少産時代の要請として,産婦が満足のいく出産環境の提供が課題になった現在,子どもを持つ家族のために本当に必要な,質の高いケアが求められてきている。このことを踏まえ,当院で行なっている出生直後のタッチケア(カンガルーケア)について,その実際を述べたい。
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