特集 タッチケア(上)
タッチケアの病棟での展開
的場 晴美
1
1聖路加国際病院新生児病棟
pp.131-135
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902585
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
出産後,退院されたお母さんたちから,「子供が泣いていてもすぐに抱っこしないほうがいいんですよね」,「赤ちゃんをどうあやしたらよいかわからなくなることがあるんです」,「赤ちゃんをどれくらいの力で触っていいのかわからないんです」,といった声を耳にします。また,1か月健診で「わきの下,首などをきれいに洗えていない,赤ちゃんをこわごわ触っているお母さんがいる」と,小児科医のつぶやきを聞くことがあります。
核家族化が進む中,わが子とどう触れ合ったらよいのか,愛しいと思う気持ちをどう伝えたらよいのかわからない,そのような母親・父親が増えているようです。
生後間もない赤ちゃんは,非常に鋭い感覚をもっています。皮膚をはじめ,五感を最大に働かせて,外界とコンタクトをとろうとしています。私たちは「お母さん,お父さん,いっぱい触ってあげていいんですよ。思う存分抱っこしてあげていいんですよ」というメッセージを伝えたい,との思いで,親子の触れ合いのきっかけとなるよう,「タッチケア—親子の自然な触れ合いの導入」を入院中から取り入れ始めましたので,ここでご紹介いたします。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.