今月のニュース診断
遺伝子検査と生命保険—検査のリスク/診断の意味
斎藤 有紀子
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1北里大学医学部医学原論研究部門 法哲学・生命倫理
pp.1016-1017
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902539
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日本の訴訟 高度障害保険付の生命保険に加入した関西在住の男性が,「遺伝子診断を受けなければ障害保険金がおりたはずなのに,受けたばかりに支払いを拒否されたのは不当」と,第一生命を相手に裁判を起こしている。
男性は,小さい頃から足が不自由であったが,原因も病名も不明だった。契約当時は歩くことができたが,病状が進行した92年に,両足の機能を失った。いまは身体障害者1級に認定されている。男性が契約したのは89年。重い障害を負った場合に死亡保険金と同額の保険金が支払われる高度障害保険がついた保険を選び,加入時の診断書は保険会社の指定する医師に書いてもらった。
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