増大号 糖尿病のすべて。 検査データに基づいた診療のポイント
3章 糖尿病診療における臨床検査
遺伝子検査
川村 良一
1
,
大澤 春彦
2
1愛媛大学大学院医学系研究科糖尿病内科学
2聖光会鷹の子病院糖尿病センター
キーワード:
若年発症成人型糖尿病
,
MODY
,
ミトコンドリア遺伝子異常
,
HLA
,
ゲノムワイド関連解析
,
GWAS
,
ポリジェニックリスクスコア
,
PRS
Keyword:
若年発症成人型糖尿病
,
MODY
,
ミトコンドリア遺伝子異常
,
HLA
,
ゲノムワイド関連解析
,
GWAS
,
ポリジェニックリスクスコア
,
PRS
pp.188-192
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540020188
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はじめに
単一遺伝子異常による糖尿病は糖尿病全体の数%を占める.単一遺伝子異常の影響は大きく,若年発症が多い.遺伝子検査による正しい診断は適切な治療法の選択につながり,予後に大きく影響する可能性がある.また,家系内未発症者も将来的な発症に備えることができる.一方,1型・2型糖尿病のようなcommon diseaseは多くの遺伝因子と環境因子が複雑に関与する多因子疾患である.ヒトゲノム上に存在する個人差(バリアント)の情報整備,ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)や次世代シークエンサーなどの解析技術は飛躍的に進歩し,その結果から算出されるポリジェニックリスクスコア(polygenic risk score:PRS)やサブタイプ解析が疾患や合併症発症リスクの予測に応用されようとしている.
本稿では,単一遺伝子による糖尿病として頻度の高い若年発症成人型糖尿病(maturity-onset diabetes of the young:MODY)とミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病について,また,多因子疾患としての1型糖尿病,2型糖尿病の遺伝因子について概説する.

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