連載 とらうべ
13,000人の赤ちゃんをとりあげた助産婦の母
栗原 稔
pp.831
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902494
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産婆と看護婦の試験に合格していた母は,産婆の祖母(父の母)のもとへ実地見習いのために身を寄せた.昭和10年10月,ちょうど20歳を迎えた年だった.
以来,平成6年に助産婦人生最後の赤ちゃんをとりあげてこの仕事に終止符を打つまでの約60年間に,1万3千人の新生児の出産にかかわってきた.戦前,戦中,戦後と,日本社会がその歴史において最も激しく変化する時代に,助産婦として生きてきたことになる.「お産婆さん」から「助産婦さん」へ,また「自宅分娩」から「施設分娩」へ.お産の世界が最も変化した時代だったのではないだろうか.
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