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"とりあげじいさん"と"とりあげにいさん"
遠
pp.35
発行日 1961年7月1日
Published Date 1961/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202164
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某県に仕事があつて某市で某々助産婦諸姉と会合をもつたという事にしておきたい.
例によつて開業のむずかしさ——それも底をついて,どうにか上昇への意欲が底光りしていたが——が深刻な話題になつた.そのうちに山間へ入ると今も(この"も"というのは正しい語法ではない.なぜなら,他県ではそういう話は曽てきいた事もないと証言した助産婦さんは割に多いから)異様な助産慣習がある中に"とりあげじいさん"が助産業を営み,"とりあげばあさん"より好評を得ているという話が出てきた.なぜ評判が良いのかというに,やはり男の方がちからが強いからで,なぜ,ちからが強ければ良いのかというと,子宮口が2cm位しか開大していない時分から押しはじめるほどの乱暴さだから,男のちからの方が効果(この言葉も使い負けの感じであるが)がよくお産が早いという訳.
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