連載 とらうべ
ナマケモノ的生き方
中川 圓
pp.651
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902456
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先日,ミツユビナマケモノの撮影で南米・エクアドルを訪れた.ミツユビナマケモノは約7cmもある指(爪)を前足と後足それぞれに3本ずつ持つ中南米特有の哺乳類だ.この長い爪を上手に使って木にぶら下がり,睡眠や食事から交尾・出産・子育てにいたるまで,一生のほとんどを樹上で生活する珍らしい種としても知られている.英語でSloth,スペイン語でPerezosoと呼ばれ,いずれの単語も「怠惰,ものぐさ,怠け者」という意味をあわせもつという,何とも気の毒なネーミングの持ち主でもある.
この愛嬌たっぷりの動物を通じて,人間の消費生活と自然環境の関係を見直そうというNPO「ナマケモノ倶楽部」がこのほど発足した.世話人は日本内外の自然愛好家やボランティアらである.
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