連載 りれー随筆・190
仕事と育児
藤森 紀子
1
1慶應義塾看護短期大学
pp.730-731
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902471
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母親の就労は子どもに悪影響?
先日,新聞に「米国における働く母親の育児事情」という記事が掲載されていました。内容は「米国では働く母親が多く,家族崩壊,麻薬,十代の妊娠などが問題となっており,両親が不在の場合,問題児が多く,親が子育てをしっかりしているほど子どももしっかり育つ」といったものでした。私は働く母親として不安になる一方で,就労が子どもに悪影響を与えるのだろうかと疑問をもちました。
確かに就労によって母親が身体的・心理的ストレスを自覚すれば,子どもに影響を与える可能性は否定できないと思います。それに,日本の場合,男性の意識は徐々に変化してきてはいるものの,まだまだ「男は仕事,女は家庭」という伝統的な性役割意識が根強く残っています。育児,家事といった負担が仕事をもっている母親にかかることは避けられないのが実情なのです。その結果,そのはけ口は自ずと子どもに向けられるのではないでしょうか。
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