今月のニュース診断
出生前診断とART—その倫理問題の重なりをめぐって
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部 法哲学・生命倫理
pp.96-97
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902339
- 有料閲覧
- 文献概要
精子の染色体検査
栃木の「高度医療技術研究所・中央クリニック」で,男性不妊患者の精子染色体検査を行なっていることが明らかになった。乏精子症で顕微受精が必要とされる男性に対し,血液検査と精子検査で性染色体の数を確認・告知をした上で顕微受精を実施している。本山光博院長は,「染色体異常に不安感をもつ患者へのカウンセリングの一環。情報提供として実施した」という(朝日99年8月3日)。
論点は2つあるだろう。1つは,不妊治療の枠組みの中で,出生前診断に近似する検査が行なわれ始めている点,もう1つは,性染色体の数の多寡をもつ人に対する医療全体のあり方。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.