特集 ―胎児の心地よい環境に必要なこと―妊娠と高血圧のメカニズムを知ろう
妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群へ
髙木 健次郎
1
1日本大学医学部付属練馬光が丘病院産婦人科
pp.796-799
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100272
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はじめに
妊娠高血圧症候群という名称は,まだ馴染みの薄い名称ではあるが,妊娠中毒症は,諸外国ですでに使用されなくなったtoxemia of pregnancyという用語の名残であり,以前より問題があることを知りつつ使用されてきた。妊娠中毒症の原因とされた毒素説が否定されてから,すでに数十年が経過した現在,toxemiaという言葉は欧米では使用されていない。本邦においては妊娠中毒症という用語が長期間用いられてきたために,その名称があまりにも広く,深く浸透してしまった。そのため,名称の変更は困難であるとの意見もあるかとは思うが,それに代わる適切な名称と定義・分類が必要な状況に至ったことをご理解いただきたい。
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