Medical Scope
産科周産期医療と血栓症
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.821
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902017
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血栓症は成人病のなかでは大変に重要な位置を占め,内科外科の医師の間では広く研究も進められています。私たちの産科周産期医療でも最近になって,血栓症がいろいろと問題になっています。
母体では帝切のあとに肺動脈の血栓症で死亡したという症例が報告されて,帝切後の大きな合併症として肺梗塞が注意されるようになりました。妊娠中は血液は凝固しやすくなっているので,これらの血栓症に対しては非妊婦よりいっそう注意しなくてはならないのです。術後の肺梗塞は肥満症の女性に多いので,肥満妊婦にはよく注意の目を向けて体重コントロールを指導しなくてはなりません。同時に血液検査も必要で,コレステロール値の高い症例では手術の周辺期にヘパリンを用いた血栓予防の処置を実施しておく必要性も論じられています。
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